柳瀬川(やなせがわ)とは、埼玉県から東京都を流れる一級河川のことで、荒川水系の支流になります。 東武東上線の柳瀬川駅の北側を流れています。
かつての柳瀬川はごみや生活排水などによって悪臭を放つ、汚い川でしたが、清瀬水再生センターが1981年に始動したことや、ボランティアによる清掃活動によって水質が徐々に改善していきました。
柳瀬川は、東京都西多摩郡瑞穂町大字石畑字御達間および埼玉県入間市大字宮寺字金堀沢などを源として、狭山湖(さやまこ)(※)を経て都県境に沿い、東京都清瀬市下宿で清瀬水再生センターの放流が流れ込み、埼玉県志木市で新河岸川に合流しています。
狭山湖(さやまこ)
狭山湖というのは通称で、正式には山口貯水池といいます。東京都水道局水源管理事務所村山・山口貯水池管理事務所が管理している人造湖です。玉川の小作取水堰(おざくしゅすいせき)および羽村取水堰(はむらしゅすいせき)から流れ込む水流を源としており、金堀沢や大沢などの天然の湧水も流れ込んでいます。狭山湖の水は、東京都の上水道として供給されています。
近年では、河原でバーベキューや川遊び、釣りなどをする人も増えてきています。柳瀬川駅から志木市役所付近にかけて、水鳥も生息しており、冬場には渡り鳥が飛来してきます。河原には狸、上流部にはかつてはミヤコタナゴ(※)もいたようです。夏場には、花火大会やいかだレースが行われるなど、市民から親しまれている川です。
ミヤコタナゴ
天然記念物の淡水魚。全長40mm程度の小型魚で1対の口髭をもっています。東京のタナゴという意味で、「ミヤコタナゴ」と名付けられました。もともとは関東地方に広く生息しており、よく見られる普通の魚だったのですが、都市化が進んだり、水質汚染により激減しました。タナゴは生息域が狭く定着性が高いため、環境の影響を受けやすい魚として知られています。柳瀬川においても1980年頃の水質汚染により激減、近年では保護され、人工増殖に成功したため、水質環境が改善され以前のレベルに戻った際には、再放流される予定になっているようです。
ところで、このミヤコタナゴについて、2014年1月14日に東京都在住の男性が大量繁殖させたことで、文化財保護法違反の容疑で書類送検されるという事件が起こっています。知らないでやっている人はほかにもいそうですが、天然記念物を繁殖させるのは違法なのです。
ちなみに、ミヤコタナゴは絶滅危惧種の天然記念物ですが、それは自然繁殖させるための場所が少なくなってしまっていることが問題であり、人工的に繁殖させるのは、普通の魚と同じ飼育方法で簡単にできるそうです。
この情報は2014年5月現在のものです。